土佐清水病院での私のアトピー治療体験談〜前半〜

こんにちは。アトピーと付き合い始めて30年以上のタカヒロです。

人生最悪の状態

 炎症と乾燥で瞼が腫れお岩さんの様な顔。浸出液でカピカピになっている首。皮膚が剥がれ落ち出血と痒みを発する体。大学2年、20歳の私のアトピーはこれ以上ないほど悲惨な状態になっていた。自分の顔を鏡で見て「もうダメだ・・・」と思い、生きるのを諦めかけたこともある。高校2年から脱ステロイドをしていたが、その影響で私のアトピーは極端に悪化していたのだ。

アトピー治療のため土佐清水病院へ

 そんな私のことを母親はものすごく心配していた。息子のアトピーがどうすれば良くなるのかいつも考えていた。そんなときにある人から「アトピーを治療するなら良い病院がある」と噂を聞きつけてきた。それが「土佐清水病院」だった。重症アトピーの人なら一度は聞いたことがあるのではないだろうか。その病院はアトピー治療に特化しており、重症アトピーの患者を何人も救っていると言われる病院だった。藁にもすがる思いで私と母親は土佐清水病院に行くことにした。それが大学2年から3年になる春休みのことだ。

高知の端にある病院

 土佐清水病院は高知県の南西部にあり電車とバスを乗り継いで行った。私の実家である京都府北部からは確か5,6時間ほどかかったのではないだろうか。移動だけで疲れてしまうところにあり決して交通の便が良いとはいえない場所だ。そんなところにある病院なので多くの患者は自宅から通うことができない。そのため、土佐清水病院へ通院するには近くの民宿に泊まりそこから通うことが一般的になっていた。土佐清水病院に通院するアトピー患者のために民宿もたくさんあり、ひとつのビジネスとして成り立っているようだった。

えっ!?私と同じようなアトピーの人がいた

 病院がある土佐清水市に到着すると、まずはお世話になる民宿に向かった。その民宿には既に10名弱の土佐清水病院に通院しているアトピー患者の人たちが泊まっていた。その人たちに会ったとき私は絶句した。治療のため顔や体が包帯で覆われており見えない部分もあったが、私と同じような人がたくさんいたのだ。つまり私のような重症アトピーの人ばかりだったのだ。今まで自分と同じような酷いアトピーの人を私は見たことがなかった。クラスを見回してもいない。学年を見回してもいない。学校全体を見回しても私のようなアトピーのものは今までいなかった。こんな酷いアトピーは全国探しても私だけで、こんな辛い思いをしているのは自分だけだと思っていた。それが違ったのだ。ここには私と同じような状態の人たちがいたのだ。自分と同じような人がいることに私は少し安心した。その人たちと簡単な自己紹介がてら言葉を交わし、その日は明日の初診に備えて休むことにした。

アトピー治療にサンドバス?

 翌日、土佐清水病院に受診した。「本当に治るのだろうか?」と不安と期待を持ちながらの受診だった。医師は多くの重症アトピー患者を診ているせいなのか私の酷いアトピーにも驚いた様子はなかった。アトピー患者は大勢おり行列をなしていたので、診察は淡々と機械的に終わったように思う。治療はまず病院内にあるお風呂に入るように言われた。ただ普通のお風呂ではない。特別な石を用い作られたサンドバスと呼ばれるものだ。これには皮膚の保湿機能を向上させたり解毒作用があるらしい。入ったあとは体がポカポカしていたのを覚えている。

独自の薬でアトピー治療

 その後看護士さんに薬を塗ってもらい患部を包帯でぐるぐる巻きにしてもらった。患部と言っても私の場合はほとんど全身になるのだが。塗ってもらった薬はこの病院独自の薬で、植物由来の成分とステロイドが含有されているものだった。そして飲み薬(病院独自の薬と抗ヒスタミン剤?)をもらい初日の診察は終わった。

数年ぶりの熟睡

 その日の夜は治療のおかげで痒みがとれ、ぐっすり眠ることができた。「こんなに眠れたのは数年ぶりだな・・・」と思った。何年も痒みと不安で眠れなかったから本当に数年ぶりの質の良い睡眠だった。翌朝起きた時のスッキリとした感覚が久しぶりでなんだか嬉しかった。

土佐清水病院での私のアトピー治療体験談~後半~」へ続く

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