こんにちは。アトピーと付き合い始めて30年以上のタカヒロです。
「アトピー患者の多くはステロイド外用薬を塗る量が少ない。軟膏の量を適切にすればアトピーをうまくコントロールすることができる」とある書籍でアトピーの名医が言っていた。逆を言えばアトピーが寛解しないのはステロイド外用薬を十分な量塗れていないと言うことだ。
この意見には賛成だ。かつてのステロイドバッシングの影響で、処方されたステロイド外用薬を使わなかったり恐る恐る少量ずつ使うといったことがアトピーの重症化や遷延化を招いているように思う。
目次
「適正な量」を塗布しないとアトピーはくすぶり続ける
実際、私もステロイド外用薬の副作用にビビったり薬代のことを気にして、できるだけ薄く薄く塗り広げて使っていた。脱ステロイドをしていたときのようにアトピーが酷く悪化する訳ではなかったが、いつも皮膚が炎症を起こしくすぶり続けている状態だった。
そんなときにステロイド外用薬の「適正な量」を知ったのだ。
ステロイド外用薬の「適正な量」とは?
よく言われるのが「FTU」。25gのチューブに入っている薬を人差し指の先端から第一関節まで絞り出した量(約0.5g)を手のひら二つ分の範囲に塗るのが十分な量と言われている。
ただ25gチューブに入っている薬ばかりではないので測定が難しいこともあるだろう。実際私の場合はステロイド外用薬と白色ワセリンが混合されており、軟膏壷に入っている。そんなときはだいたいこれぐらいの量が0.5gになる。
想像以上にベタベタになる

By: Neal Fowler
「FTU」の量で塗ると、かなりベタベタになる。ベタベタになり皮膚がテカっている感じになる。さらに体全体に塗ると皮膚に膜が張られたような感覚になるぐらいの量だ。
初めてこの量で塗ったときは
「こんなに使ったらもったいない」
「副作用が強くでるのでは・・・」
と思った。
確かに薬の減り具合はかなりのもんだ。私の場合、体全体アトピーなのでその分薬の使用量も多くなる。体に塗る薬が2週間で100gほどなくなってしまう。薬代のことを考えると正直痛いが、アトピーを寛解させるために治療しており、ここでケチってしまうと本末転倒になる。
また、副作用についてだが「FTU」のようにベタベタに塗ったとしても、それだけ副作用が強く出る訳ではない。これだけの量を塗ってもステロイドの重篤な副作用である副腎皮質抑制を起こす量ではないし、少量を使い続けて皮膚にダメージを与え続ける方が体にとっては悪いと思っている。
ステロイド外用薬の十分な期間とは?
またステロイド外用薬を塗る量と同じぐらい大切なことがある。それは塗る期間だ。ステロイド外用薬の副作用を恐れて「もう塗らない方がよいだろう」と勝手に決めつけてしまい、十分な期間塗れていないケースが多いのだ。見た目には炎症が治まっていても、皮膚の内部にダメージが残っているとアトピーは寛解しない。だから皮膚の内部のダメージがなくなるまでステロイド外用薬をしっかりと塗り続けないといけない。
私は見た目の炎症がきれいになるまでステロイド外用薬を「FTU」で塗布し、きれいになってからも更に一週間ほどは同じランクのステロイド外用薬を同じ量で使うようにしている。そしてそのあとは徐々にランクを落としている。ランクを落として症状が悪化する気配が見えたなら、すぐにランクを上げるようにしている。そうすればアトピーが増悪するのを防げるし、寛解した状態を長く保つことができる。
ステロイド外用薬を効果的に使うことが大切
「ステロイド外用薬のことを今更言われても・・・」と思ったかもしれない。しかし、やはりステロイド外用薬はアトピー治療の標準的治療薬であり、代替薬がない最重要な薬だ。だからその薬を一番効果的な方法で使うことがアトピーを寛解させる近道となるのだ。自分では塗れている思っていても、「FTU」と言うのは想像以上の量だ。一度試してほしい。
「FTU」で一週間ほど塗ると炎症を起こしていた腹部が写真のようになった。